FC2ブログ

This Archive : 2010年08月

2010.08.30 *Mon

彼が僕を訪ねてくる日 10

亘くん byしごさん
版権はSSshigo屋のしごつつめさんにありますので、無断転載・コピーはお控えください。



  第一話から読む




 僕の返事を待って開いた扉の向こうを確認して、ふ、と自嘲が漏れた。僕は何を期待しているのだろう。
 彼がここに来ることなんて、もう二度とないのに。
 そう仕向けたのは、僕自身なのに。

「姉さん……」

 すぐに目を逸らした。膝を立てて顔を埋める。今の自分を、唯一味方をしてくれた姉さんには見られたくなかった。

「亘、」
「ごめん」

 何を言うのか、聞くのも怖かった。そんな自分も嫌だった。息をしていることが苦痛だ。

「別に私に謝る必要はないけど。そうじゃなくてさ」

 言葉を選ぶように逡巡する姉さんに、肩が震える。耳を塞いでしまいたい。けれどそれをすると今度こそ見捨てられてしまいそうで、ズボンを強く握りしめた。
 僕ってこんなにシスコンだったんだ。
 ふとそんなことが浮かんで、そう思うと少し肩の力が抜けた。

「亘さ、図書館でも行ったら?」

 唐突な提案に、僕は顔を上げた。
 何? 図書館?
 ぽかん、と姉さんを見上げる。ときどき、姉さんの突飛さにはついていけなくなる。

「だってさ、暇なんでしょ? 暇だからこんな死にそうになってんだよ。他に何もしてないから、なんかごちゃごちゃ考えちゃうんだよ、絶対」

 姉さんの言っていることはなんとなくわかるけれど、僕は動けないんだ。身体が重くて、重くて。固いコンクリートの中にさえ、沈んでしまいそうなくらいに。

「まあ……、何があったのかとかは、別にね、言わなくてもいいけど。でもさ、何かやってた方が気分も紛れていいんじゃない? 高認受ける、なんて言ったんだし、とりあえず勉強でもしとけば?」
「でも、外になんて、もうずっと……出てないし」

 抱えた膝から腕を下して、視線を彷徨わせる。外に出るという選択肢自体、僕は思い付きもしなかった。

「知り合いに会いたくないなら、市内の図書館じゃなくていいし。ちょっと面倒だけど、地下鉄とバス乗り継いで行けば行けるでしょ? もっと外の空気も吸わなきゃ、カビ生えてきちゃうよ」

 驚きと戸惑いを含んだまま見上げる僕に近づいて、ぽんぽん、と頭を叩く。
 そういえば、まともに人と会話するのも久しぶりだ。するすると、身体に絡みついていた蔦が解れていくように呼吸が楽になる。決して、全て解けはしないけれど。

「ね?」
「……うん」

 ――そうしたら、ちゃんと秋本のことを忘れられるかもしれない。

 そう思って頷いた僕の頭を、姉さんの手がくしゃくしゃと掻き混ぜる。
 部屋の空気が少しだけ、軽くなったような気がした。












←前へ / 次へ→





すみませんお久しぶりです(>_<)

てゆかなんかもうごめんなさいごめんなさい ペコm(_ _;m)三(m;_ _)mペコ


うぅ…llllllρ(   )lllllどよん
暗くて筆が進みません。
外に行けば、少しは変わるかなぁ。

↓ランキングに参加しています。
 どうか亘と私を励ましてくださいませ。

にほんブログ村 小説ブログ BL小説へ
にほんブログ村
スポンサーサイト



23:36CM(2)TB(0)EDIT


最新記事



最新コメント



最新トラックバック



アクセスカウンター



オンラインカウンター

現在の閲覧者数:



月別アーカイブ



カテゴリ

ホーム (1)
彼が僕を訪ねてくる日 (16)
SS・短編 (6)
BL観潮楼 (11)
宝物 (7)
オフ会 (0)
雑記 (4)
リンク (1)
未分類 (1)



メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:



検索フォーム



ブログ村

ランキングには参加していませんが、
登録はしてあるのでバナーだけ置いておきます
にほんブログ村 小説ブログ BL小説へ
にほんブログ村



QRコード

QR



Copyright © 小さな愛の芽吹き All Rights Reserved.
テンプレート配布者: サリイ  素材:Bee   ・・・